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とある夏の日

「あっつい…なんでエアコンいれねぇんだよ」

1ルームの畳の部屋で寝転がりながらMr.KKはうなだれる。言葉を向けた先の人はもくもくとプリントの丸付けをやっている。
ちなみに爆音でだ。

「はぁ……聞こえちゃいないのは分かるがよぉ」

耳が痛くならないのか、と不思議に思う。俺だったらあんな音漏れするヘッドフォンなんて無理だ。
そんなことを思いながら起き上がり、相手にすすすっとすり寄っていく。
いい感じだ、気付かれていない。にやにやしながら脇腹あたりに手を入れてやると、

「うわっ、なんだよなんだよ!!」

ヘッドフォンを外しながら相手はびっくりした様子だった。そのままプレイヤーの音楽を止めて、どうかしたのか?と不思議そうに見てくる。

「暑い」
「外風吹いてるじゃんか、まだエアコン時じゃない」
「まじかよ…おまえプリントそんなんで大丈夫なのか?」
「ふっふっふっ…、手袋してやってる」

そこまでするのならエアコンをつければいいのに、と思う。でもいくら言ってもここの住民は聞かないだろう。きっと理由は簡単で

「電気代先月すごかったからなぁ。今月はなるべく節電してんの」

と予想通りだった。

「じゃあ、せめてなんか飲み物くれよ。それかアイスとかさぁ」
「アイスはないが麦茶はあるよ」

じゃあそれで、とお願いすると、じゃあ休憩するかな~とDTOはゆっくり背伸びしてキッチンに消えていった。
プリントの丸付けは順調そうなので、この分だと夜は構ってもらえそうだ。