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ちょっと寂しい

「新品の匂いがするなぁ」
「長く使わないからな」

今日は相手の家にきている、といっても社宅だ。KK当人は仕事場に近い社宅を転々として移動しているので、いつもこんな感じだ。
羨ましい話だ。

「ベッドとテーブルがあればいいよ、それ以外は着替えがありゃね」
「それで体壊さないなら、俺が止めるこたないね。…でも心配だよ、たまに会社だろ?」
「おお、そうだ。新宿で清掃があるときは大体会社で寝泊まりしてるよ」

ソファで雑魚寝してないから安心しな、とKKは笑う。

「明日はどこなんだ?」
「明日は西馬込だよ、最近車掌やってんでね」
「そっか、新宿からは遠いな」
「そうだな、寂しいか?」

ばかいえ、なんて笑ってみるものの、相手と会える時間は短い。
清掃日は必ず会えるけれど。

「まー、そうだな。少し、寂しいよ」
「次会えるのは清掃日かな。月末だからすぐさ」

それまそうさな、なんて言いながら相手に寄り添って

「飯にすっか」
「そうだな!」